特定の状況で生じる病気に対応

パニック障害は抗不安薬などで対応

普段の生活ではなんともないのに、特定の状況になると激しい動悸がしたり、息苦しくなってしまうといった病気があります。初めてこういった症状を感じると心臓など内臓の具合が悪いのではないかと考えて内科へ行き、診察してもらうと特に問題はないといわれ、その段階で精神的な不調が原因なんだと気づく人も少なくありません。では、心療内科ではこうした症状に対応してもらえるのかというと、もちろん、対応してくれます。心療内科の医者にとって、特定の状況になると突然具合が悪くなるというのはわりとありふれた症状だからです。

たとえば、パニック障害と呼ばれる病気があります。これは、電車やバスなどに乗っているときなど、行動の自由がきかない状況になると動悸が激しくなって気を失いそうになるといった症状が出る病気です。

PTSDは症状に合わせた治療が行われる

パニック障害になってしまう原因は人それぞれですが、パニック障害の発作を誘発するのは主に不安感です。たとえば、電車に乗り込んだ瞬間、また以前のように具合が悪くなってしまったらどうしようと考えて、それが発作の原因となってしまうのです。したがって治療としては抗不安薬がよく使われます。
また、PTSDと呼ばれる病気も特定の状況で症状が生じやすいものの一つです。PTSDは心的外傷後ストレス障害とも呼ばれ、過去に犯罪に巻き込まれたり、暴力を受けたり、あるいは誰かが激しく暴力を受けている様子を見たなどの経験があると、それが心の傷となり、後に似たような状況でその思い出がよみがえって具合が悪くなるのです。

PTSDの治療は実際に出ている症状に合わせて抗不安薬など複数の薬の投与、そして、カウンセリングによる精神療法が行われるのが一般的といえます。